★1日目//パート3

気付けば、着陸体勢

ANAシンガポール線・ビジネスクラス・食事

強い体の振動で、重いまぶたを開ける。 横には全速力で私を揺らす、Ariさんの姿が。
まだ寝ぼけているため、自分の置かれた状況を理解するのに、しばし時間がかかる。
そして、Ariさん曰く、

「ANAのお姉さんも、Tsumさん起こしに挑戦したが、
 こ れ 以 上 は 接 客 の 粋 を 超 え る・・・と判断したので、
『私が責任を持って、起こします!』、と宣言した。」とのこと。

実際、まったく記憶にない。そして食事を運んで来てくれた時の、そのお姉さんの苦笑い。
たった5時間前に出会ったばかり人と、これほどの重い空間を共有するとは・・・。

いっそのこと、「ほっんと、文字通り爆睡でしたねっ。」なんて、
チャラッと言ってもらえれば、こちらも「テヘッ。」などと軽く返して、
このなんとも言いがたい、二人の気まずさを取り払えるかもしれないのに・・・、
などと、わがまま極まりないことを、まだ5%しか動いていない脳で考える。

ANAシンガポール線・ビジネスクラス・寝袋

油断大敵。

寝袋のようになっている、羽毛布団ブランケット。その威力を見くびり、いままでにない、心地よい深い眠りをいただいた。その点ではありがたいが、客室乗務員の方に、小さい苦悩を与えた点では、憎むべき存在。

ANAシンガポール線・ビジネスクラス・食事カード

言いました。

チェック、付けました、付けました、【起こして欲しい】に私、チェック付けました。あ~、あ~、言いましたとも。

待ちに待っていた、憧れのビジネスクラスの食事タイム。
だが、AriさんもTsumも、えらくテンションが低い。それもそのはず。
日本時間にして、朝、4:30。ラウンジでたらふく食べてから、まだ、5時間。
そして、その5時間の間にしていたことといえば、赤子のように眠っただけ。

周りを見渡せば、ほとんどの方が、まだスヤスヤと夢の中。
食事をしている人も、食べているのは、
【軽めのお食事】と呼ばれる、
うどんや、スープなどの、文字通り【軽食】。
どうやらガッツリミール派は、かなりの少数部族。

しかし、後ろに乗っている(いつもの)エコノミークラスに思いをはせれば、
きっと出された食事を残さずきれいに食べる、ガッツリミール派ばかりだろう。
『これから、商談です。そのあと、現地の方々と会食です。』、なんて人々に合わせていたら、
えせ・ビジネスクラス客の名が廃るってもんだ。
が、そんな気合だけでは、胃袋は大きくなるわけもなく、かなりの量を残す。

帰国後、エコノミークラスではどんなものが出たのか、出来心で調べてみたら、
オレンジジュース、パンケーキサンド、フレッシュフルーツ、
ブレッドロール、コーヒーまたは紅茶 -
軽い、軽いぞっ!そのうえ、パンケーキサンド、ちょっと魅惑的ではないかっ!
余計なことをしたせいで、楽しかったはずの記憶に、影が差す。

ANAシンガポール線・ビジネスクラス・食事

洋食-若鶏と夏野菜のポトフ仕立て。

パンに巻かれているのは、海苔。まったく合わないので、ピリピリとはがす。なぜそんな非国民なことをさせるのか、そもそも、国際線の洋食コースのパンに、なぜ海苔を巻くことにしたのか。シェフを問い詰めたい気持ちでいっぱい。

ANAシンガポール線・ビジネスクラス・食事

和食 -鯖味醂干し。

みりん干し、と言えば、薄っぺらい魚にゴマがたっぷりかかったアイツだと思っていたので、予想外。(サバという時点で気付くべき。) お味はよろしい。

ANAシンガポール線・ビジネスクラス・食事

そういうの。

「そういう小瓶とか、そういうの、すっごく、うらやましい。」と、Ariさんから、たいそう羨望のまなざしを受けた、小瓶入りドレッシング。

カメラ

行き場なし。

この旅行で大活躍した、
GRX+A12 28mmレンズ。ただちょっと大きな彼は、ポケットがたくさんあるビジネスクラスでも置き場に困る。結局、アメニティーが入っていた茶巾袋に入れられ、ぞんざいに扱われる。

祝シンガポール初上陸。

シンガポール・チャンギ国際空港

定刻5:55より、少し早く到着。飛行機を降りた時点で、まだ5:20(時差は、-1時間)。
『もっと機内にいたかった・・・。』と、名残り惜しくなるほど快適だった、
ビジネスクラス体験。大満足。Ariさんも同じく、『疲れがないのは、最高。』とのこと。
早くホテルに着いても、アーリーチェックインができるか怪しかったので、
初めてのチャンギ空港を、のんびりと歩く。 アジアのハブ空港だけあり、かなり広い。

入国審査は、朝の5時台と思えないほどの活気。
『けっこう並ぶかな?』と思いきや、窓口がどんどん開き、問題なし。
先に進んだAriさん、いきなり女性審査官に何やら言われている。
すべて書いたはずなのに、記入漏れがあったらしい。

『まったく、おっちょこちょいだな。』、などと、余裕の表情で自分の書類を見ると、
サインするところの記入が、抜けていることに気付く。
大慌てでペンを取り出すが、残念ながら、間に合わず。

「サイン、サイン、ヒアー、ヒアー、ペン、ペン。」
「アイ ノウ、アイ ノウ。」
と、
 シンガポールで初めて交わした、
 シンガポリアンとの会話が、非常に情けないものとなる。

聞けば、Ariさんもサインを忘れた、とのこと。
シンガポールの入国書類、一番下のサインの箇所が盲点だ。注意していただきたい。

何はともあれ、無事シンガポール初入国。

シンガポール・チャンギ国際空港

チャンギ、マップ。

なかなか広い、シンガポールのチャンギ空港。たかが入国審査に進むのに、地図にお世話になってしまった。

シンガポール・チャンギ国際空港

活気溢れる 。

世界中から、いろいろな人々が集まる。

シンガポール・チャンギ国際空港・アメ

アメチャン。

なぜか入国審査のところにアメが大量に置かれている。おもてなし精神に溢れる、シンガポール。日本でもぜひ真似していただきたい。もちろん、お抹茶味で。

シンガポール・チャンギ国際空港・蘭

もちろん、ラン。

南国の特権、ランの乱用。有難みもなくどこでも見られるので、ランって高級な花だったよね?と自問すること、しばし。

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